2010年8月19日木曜日

Jr.レンジャーキャンプ終了のご報告



8月9日(月)から12日(木)までの4日間、
Jr.レンジャーキャンプ」が無事、終了しました。

青空のち、突然のにわか雨に見舞われながらも
20名の子供たちがにぎやかに楽しく、森の中で活動しました。



今回の参加者は、Jr.レンジャーキャンプのリピーターから
キャンプ自体がはじめて!という子まで、十人十色。

まずは「森と人を知る日」である1日目は、
スタッフ、参加者と少しずつ仲良くなりながら
森の中でのキャンプに親しんでいきました。



自分たちの4日間の寝床となるテントも、自分たちの手で。
「山のぼりの達人」であるスタッフたっちゃんの指導の元、
快適なキャンプ生活をするために、
真剣な表情でテントを設営していきます。


寝心地はどうかな~?




全員が泊まるテントを無事建て終わった後は、
みんなでキャンプのミーティング。

テントを立てるのも食事を作るのも、
自分たちでやらなければ、何も進みません。
まずはキャンプ生活に何が必要なのか、
どんな事をしたらいいのかを全員で確認。
そして、自分たちの得意なこと、挑戦してみたいことを確認して、
ご飯作りのための作業分担を行いました。



スタッフすがっちの元に集まった
「マキ拾い」グループは森に入って、
しょいこに入りきらないほどのマキを集め・・・。


「調理グループ」はこの日のメニュー、
豚汁とお釜ごはんの作業。
新じゃがなので皮は洗わず、ゴミを少なく!
また、コゲ防止にお釜の底に泥を塗るなど、
最終的に洗う水を少なくする「技」を
台所のプロ、スタッフのひとみに教わりながらの作業です。
「山のぼりの達人」または「火おこしの達人」の
たっちゃんに教わりながら、
真剣な目で火を見つめる火おこしグループたち。
どのぐらいの火の大きさがいいのか
こちらも、真剣に料理の出来栄えを見守る調理グループと
確認し合いながら、調整してくれました。



山の天気は変わりやすいもの。
4日間、降ったりやんだりの雨が続きましたが、
屋根のある炊事場に避難したり、
気付けばすっ、とカッパを取り出せるようになっていたり、
最終的には全く雨を気にしなくなったり…。
みんなのたくましい変化に、
スタッフは驚かされっぱなし!


夜に動く生きものの様子を探して、夜の森に出かけた後は
研修室で明日に向けてのミーティング。
今回のキャンプでは、「フィールドノート」と呼ばれる
私たち自然の仕事の人間が良く使うノートを
一人一冊配らせてもらいました。


シカの毛や角研ぎ跡などの、夜の森での発見を記録したり、
テント立てや夕食作りで学んだ
「キャンプの技」をメモしたり・・・。
人それぞれの個性が出ているそれを首から下げて、
2日目からは、いよいよ森へ出かけます!

・・・・・

自然に詳しく、自然に興味がある人でも
「レンジャー」と「インタープリター」の違いを
説明できる人は少ないはず。



そこで、まずはビジターセンターで働いている
「インタープリター」に話をお聞きし、
その仕事と役割を教えてもらいました。



その後は、いよいよ特別ゲスト登場!
環境省のアクティブレンジャーや東京都レンジャー、
普段は他の地域で働いているインタープリターなど、

このキャンプのためだけに集まった「自然の専門家」たち。
自分で選んだ自然の分野のグループに分かれて、
ゲストと一緒に森へ出かけます。

動物グループはアカネズミのふんや食痕、けもの道など、
山ふるに棲息する様々な哺乳動物の痕跡調べ。

昆虫グループはクワガタを始めとした
たくさんの種類を発見し、特徴や生態分布を記録。

中には歴史の中に消えてしまった、
今は使われていない昔の道を辿って、大冒険をしたり・・・。


自然の中の焚き木とマッチ3本だけを使用して、
大きな木の塊に火をつけようと挑戦したり!
その他にも、野鳥や鉱物、アウトドアクッキングなど、
様々なグループにわかれて、色々な視点で森の中を散策しました。

「自然の専門家と森を歩く」

専門家と言っても、自然のカテゴリーは本当に色々です。
それぞれのグループで発見した、学んだことを
フィールドノートに書いたり、
他の友だちやスタッフに伝えたりと
段々と、自分の発見を積極的に表現するようになった
子供達の変化が印象的でした。




うまく火をつけられるよう、
時にはアイディアをみんなで出し合いながら。

その火を使って、みんなで白玉やさつまいもの直火焼き。
うまく焼けるかな?



楽しい時間はあっという間。
テントに慣れて、仲間に慣れて、
自然の中で過ごすのが当たり前になってきた頃には、
キャンプの終わりが近付きます。



一足先に帰る、特別ゲストからのお言葉を聞く、
Jr.レンジャーの仲間たち。
いつか、みんなが逆の立場になることもあるのかな・・・?


森歩きの前におまいりをした、キャンプ場近くにある
100年以上昔の神社。
歩いている間、雨が降りませんように!と祈ったところ、
てきめんの効果を見せてくれ、
3日目、4日目は雨に降られずにすみました!




帰る前、自分たちが使ったテントは
やっぱり自分たちの手で片付けます。
この撤収のひと手間や畳み方にもたっちゃんの技が冴え渡ります。
みんな、ちゃんとできたかな?


おっ、袋にばっちり収まっているね!


キャンプの最後は認定式。
一人ひとり、興味をもったものも覚えた技も違うはず。
自然の専門家が、スタッフが見ていた
みんなの成長と発見を言葉に乗せて、賞状を送りました。



私自身、初めてキャンプをしてから早16年。
それでもまだまだ、新しい発見や驚きがあるし、
今回のキャンプで
みんなから教えてもらって初めて知った事もありました。
2日目に行ったレンジャーへの質問タイムにて、
「レンジャーに必要なことってなんですか?」という
問いがあったのですが、
私は、「続けること」なのではないか、と思っています。

自然を楽しみ続ける、興味を持ち続ける、キャンプをし続ける・・・。

ぜひ、みんなも、このキャンプを終わりにしないで、
森で見つけた発見や驚きを「続けて」みてくださいね。




そしてまた、ずぅっと続いているこの森の中で、
みんなに会えることを楽しみにしています!
・・・・・・・
Jr.レンジャーキャンプ 担当:原島香(かお)

2010年8月1日日曜日

「ちびっこ 夏の森Go!Go!たんけんキャンプ」楽しく終了!

7月22日(木)から24日(土)に、
ビジターセンター主催行事「ちびっこ 夏の森Go!Go!たんけんキャンプ」が
行われました。

7月下旬になって不安定な天気が続いていた事もあり、
キャンプ中にも大雨に見舞われましたが、
子ども達は元気いっぱいで予定されていた三日間を無事に終えることが出来ました。

今回は、総勢23名の小学校1・2年生が参加し、
山ふる園内をたくさん歩いて、生き物を探したり、朝昼夜と時間で変わる森の中を探検しました。

奥多摩駅で、お父さんお母さんと別れて、バスに揺られる事40分。
山ふるに到着です。

先ず最初に、研修室でスタッフの紹介と、キャンプでの三つの約束についてお話を聞きます。


お話の後は、自分たちの泊まるテントサイトへ行って、その周りで生き物探し。

お、どうやらカエルを見付けたようです。

遊んだ後は、夜に備えて寝床の準備。
荷物を片付けたり、寝袋を自分で敷いたりします。


寝床が出来たら、次は夕食の準備。
今回は、ご飯はスタッフが作ってしまいますが、みんなはご飯作りに大切な火を起こす為の焚き木探し。

最初は、スタッフが背負っていた籠も、「僕が持つ」「じゃあ、僕も背負いたい」とお手伝いの争奪戦になる程でした。
そして、マッチの点け方と、薪や焚き木の組み方を教えて貰った後は、班に分かれて火起こし講習。

初めてマッチを触る子も多く、なかなか火を点けるのに苦労しましたが、諦めずに何度も挑戦。
やっとの思いで点いた火が段々と大きくなると、子ども達から歓声が上がります。
焚火でウインナーを焼いて食べると、これがまた美味しい。

ただ、夕方になってポツポツ落ちてきていた雨が強くなり、焚火は終了。
残念ながら、炊事棟の軒下でのご飯となってしまいました。


一晩明けて2日目。
前夜は、いつもと違う環境で興奮してしまい、なかなか寝付けない子もいましたが、
みんな朝寝坊はせずに六時半に起床。
目覚めの運動を兼ねて、沢まで顔を洗いに行きます。



これで、さっぱり爽やかな一日の始まり。

自分達で、テーブルやシートの準備をして、朝ごはんを食べ、お昼ごはん用におにぎりを握った後は、長いハイキングに出発。

今日は、ネイチャートレイルⅡからⅠを歩き、湖畔広場でお昼ご飯という予定。
大人でも、一時間は掛かる道程です。
葉っぱを使ったじゃんけんや、昆虫観察をしながら尾根沿いの道をひたすら歩きます。
途中、見晴らしの良い所に出ると、みんな「ヤッホ」と叫ばずにいられません。

山彦は聞こえるかな?

二時間位、尾根沿いの山道を歩いて湖畔広場へ。
気温もぐんぐん上がり、みんな汗びっしょりです。
涼しい東屋に集まって、ハイキングの中で見付けた物を自分のワークシートに記入します。


その後は、昼ごはんを食べて一休み。
さて、午後の探検に出発しようかというその時になって、

ポツポツシトシト・・・ザー

突然のバケツを引っ繰り返した様な大雨。
東屋から出るに出られなくなってしまいました。
みんな大急ぎで雨具を出して着込んだものの、逃げ遅れた靴はびしょびしょ。
仕方ないので、暫く雨宿りをして、少し弱まってきた所で午後の探検へ。
広場の木陰で雨宿りをしている虫たちや、雨の奥多摩湖、サイグチ沢では水辺の生物を観察して歩きました。
そんな雨の中頑張る子供達を応援するかの様に、カニが沢や道路で手を振ったり、カエルが木の下で踊っていたり。
研修室に戻り、シャワーを浴びた後は、そんな雨の森での探検を記録。

そして、前日は雨で出来なかった夜の森体験。
テントサイトから加茂神社までの道を灯り無しで歩きます。
いくらみんなと一緒とは言え、小学生にとって真っ暗な闇の中を歩くというのは、本当に大冒険です。
頑張って半分到達出来た子、友達と手を繋ぎながら神社まで歩けた子、全く余裕でもっと奥まで歩きたいという子、反応は様々でも動物たちの住む世界に足を踏み入れた事には変わりありません。
虫の声や風の音が囁き続ける森の中の意外な賑やかさと、森から出てきた時の灯りの眩しさは特に印象に残ったのではないでしょうか。

前夜は興奮してなかなか眠れなかった子供達ですが、流石に一日歩き回ったこの日はぐっすり。

そして、三日目の朝。
たんけんキャンプも、あっという間に最終日。
最後は、日指の森まで歩いて、山ふる最初の朝日を見に行きます。
周囲を山に囲まれた山ふるでは、尾根沿いのトレイルまで行かないと朝日を見ることが出来ません。
ちょっと曇っていたので、大丈夫かなとドキドキしながら登っていくと・・・


木々の間から、燦々と煌く太陽が登って行く所でした。

最後の冒険を終えた後は、みんなで使った寝袋やシートの片付け大会。
家では、あまり片付けを手伝った事がないという子達も、三日目になると食器や寝袋の片付けを進んで出来ていました。

色々な時間、色々な天気の中を探検して一番印象に残ったのは、どんな体験だったでしょうか。
最後は、研修室で「家族へ」「自然へ」「自分へ」という三つの手紙を描きました。
この手紙が届く時、また山ふるで過ごした日々と出会いを思い出してくれるかな。

森の中を元気に駆け回り、発見に目を輝かせるちびっこ達に、私達も元気を貰いました。


 インタープリター 坂田 大輔(坂D)