2010年11月3日水曜日

『子ども たき火でいただきます!キャンプ』の報告


キャンプのみんなで食べたクルミです。約75個!たくさん!

10月9日~11日に、『子ども たき火でいただきます!キャンプ』が行われました。
前日からお天気はよくなく、スタッフもおそらくキャンプに参加するみんなも
てるてる坊主やお天気の神様に晴れをお祈りしていました。

その祈りが届く…ことは、残念ながらなく、
今回は雨でスタートのキャンプとなりました。

キャンプの最初は初参加のお友達や、
何回も来てる!ていう山ふる慣れっこのお友達、
み~んなで、いもむしじゃんけんゲーム!
じゃんけんに勝った子はいもむしの顔になれて、
負けたお友達をパクッと食べちゃいます!
負けた子は勝った子の後ろに並んでいもむしの体の一部になっちゃいます。

今回のキャンプは
『ご飯作りやたき火を通して、自然と自分の間につながりを感じ、
自然のことを大切に思えるようになる』ことをねらいにして行いました。
いもむしじゃんけんで仲良くなりながら、
ちょっとだけ「食べること」を意識をしてもらいました。

「最初はグー!食べちゃうぞっ!!(←じゃんけんぽんの合図) 」
「やったー!勝ったー!」

参加したみんなは雨なんか関係なく、元気いっぱい!!
森の中では遊べなかったけど、
その分のエネルギーを室内で大爆発させてくれました!

その後、どしゃ降りの雨の中(!)、自分たちのテントを立てました!
屋根のある炊事場でグループの友達と協力して組み立て、
神輿のようにテントを担いだら、
自分たちが決めた場所に雨の中ダーッシュ!!

急いでフライシートを貼って、ペグを打ちつけました。
雨の中の大変なテント立てだったのに、
みんな手際よくすぐに立てることができました!

明日は森から自分たちのご飯の材料をいただきます。
そんな森に生息している生きものって何がいるのだろう?
夜にカッパを着て、探しに行きました。

すると道をサワガニが、とてとて歩いているのを見つけたり、
橋の穴にムササビらしき目の光を見つけたり!
数十分の中でも森に生息する生きものの様子を感じ取ることができました。

明日はいい天気になるといいな、
テントに当たる雨音を聞きながら、みんな眠りにつきました。

2日目。
朝早くは雨がまだ残っていたのですが、
みんなで森の中から、今日のご飯の材料を探しに行こうとなった時に…!

青空が見えてきました!やった!

早速、2つのグループに分かれて材料探し。
クリ、クルミ、ムカゴ、ミョウガ、ヤマボウシ…
食べられるものはもちろん、
たき火に使う薪もたくさん集めてきました。
(※山ふるは基本的に採取は禁止されています。
 今回はキャンププログラムということで、
 特別に許可をいただいた上で集めています。)


いよいよ拾ってきたものでご飯づくり!

と、行きたいところですが
みんなに見つけてもらいたいものがもうひとつ。

”物を刺せて持てるくらい太くて、
自分の手から肘の長さより長い枝”
これを何に使うかは夜のデザートタイムまでお楽しみ!

みんな、足りない材料も含めて、
もう一度森に探しに行きました。

材料探しは、森の奥まで入って行きます。
その中で、子どもたちは
昨晩のスライドで見た動物のフンや食痕を見つけたり、
クモのようだけどそうじゃない不思議な虫を見つけたり、
押すと胞子を吹くキノコを見つけたり…と、
いろいろな生きものと触れ合うことができていました。


さあ、棒も拾えたところで、いよいよご飯づくり!
今日のメニューはむかごご飯とキノコ汁。
調理班、お釜ご飯班、たき火班の3つにわかれて、
各グループで作業をスタート!

調理班はクルミを割り、
割ったクルミの実をほじくりだす(これが地味で大変な作業!)、
キノコ汁(キノコは全部奥多摩の山で採れたもの)作りを行いました。
クルミは石を使って割りました。重い!


このほじくる作業が大変!最後の1個まで頑張りました!
※クルミはお昼用の焼きおにぎりにつける、クルミ味噌にしました。

約30人分のキノコ汁。たくさんだぁ~!

お釜ご飯班は、お米を洗って、むかごを入れて、
火をおこして、ご飯を炊きます。
上手に炊けるかな?


たき火班は、キノコ汁用の火をおこします。
みんなが拾ってきた枝だけでは足りないから、
再び薪拾いから!
太さ別に置いてあります。賢いね!

どんな薪をどういう順番でかまどに入れたらいいのかな?
お釜ご飯班もたき火班も、熱いかまどの前で一瞬たりとも離れず、
最後まで火と向かい合っていました。


できあがったご飯はこちら。
おいしそうでしょ?


おなかも膨れて、シャワーを浴びてすっきりしたら、
別腹タイム。デザートの時間!

今回のデザートは
「直火でねじねじパン焼き~やまぼうしのジャムをつけて~」です!
ホットケーキミックスで作ったパン生地を細長くして、
自分たちが拾ってきた棒にねじりながらくっつけます。
くっつけられたら、たき火へGO!
ふんわり焼けたら、ヤマボウシの実で作ったジャムをつけてパクリ!
これがなんとまぁおいしいこと!!みんな夢中で焼いてました。


焼いているときに、
「おやつって、いつも自分の家にあるものだと思ってた。
こうやって自分で作って食べるとおいしいね。」
といった嬉しい声が子どもから聞かれました。

午前中はいっぱい森を歩いて材料を探し、
午後はみんなでみんなのご飯を作った2日目。
体をいっぱい動かしたから、
2日目の夜は、みんなテントに入ったらすぐに寝ちゃいました。

みんな、「ごちそうさまでした。」

そして、あっという間の3日目。
自分の荷物を片づけられたら、
2日間お世話になったテントの撤収。
一緒に過ごした仲間と息を合わせ、
サクサクとテントを片づけていきました。


キャンプの最後は、キャンプのふりかえりをします。
昨日、森からもらったもの、
それを拾った場所をそれぞれで思い出してもらい、
他にそれをどんな生きものが利用するかを考えて、
絵や文で表わしてもらいました。




その後、インタープリター・むぅちゃんが
『いただきます』というタイトルの絵本を読んで、
少し「いただきます」と言う意味について考えてもらうようにしました。
幼児向けの簡単な絵本だったのですが、
小学校中・高学年のみんなは真剣に耳を傾け聞いてくれました。

読み終わった後、みんなから
「森の生きものたちと、森のものを分け合っていたんだね。」
と気づいていたことが、むぅちゃんはとっても印象的でした。
今回のキャンプで、食べることについて、
みんなの中に何か想いが残ったことを強く感じました。

これから、みんなが「いただきます」と言うたびに、
今回のキャンプで感じたこと、思ったことを
思い出してもらえたらな、と思います。
今日も元気に「いただきます!」

(『子ども たき火でいただきます!キャンプ』担当:村田亜紀/むぅちゃん)