2010年10月4日月曜日

『ちびっこ 夏の森まるごとぼうけんキャンプ』     実施報告

「わぁ!何かふしぎな虫がいる~」「パチパチ君とポキポキ君さがしてきたよ!」「キャンプって楽しいね~♪」「お手伝い何かある?」



 目を閉じると、今でも子ども達のキラキラした声が聴こえてきそうです。
初めて家族から離れ、友達と協力して過ごした3日間。自然の中でたくさんの発見をし、驚きや嬉しいをみんなで共有した3日間。小さな1~2年生にとって、それはすべてが「たんけん」でした・・・。


 1~2年生対象の『ちびっこ 夏の森まるごとぼうけんキャンプ』は、
夏休み最後の子どもキャンプとして、8月26日(木)~28日(土)に参加者17名で行われました。
私(担当:小川結希)が集合場所の奥多摩駅に行くと、少し緊張した面持ちの子ども達、お見送りをしにきていただいたお父さん・お母さんも少し緊張気味。その緊張が少しでもほぐれればと思い、スタッフは笑顔で挨拶をし、子ども一人一人とお話しながら受付をしました。バスに乗り、出発の時間になると、お父さん・お母さんの方がうるうるしているようです。
 ここで、いよいよスタッフと子ども達との熱~いキャンプが始まったのでした。




 この1~2年生キャンプは、原体験を大切にしています。土や沢の水に触る、虫を持つ、キノコや葉っぱに触る、生きものの音にじっくり耳を傾ける、足の裏をじっくり使って森を歩く、太陽や月の明るさを体に受ける、などのようにとにかく体をいっぱい使って、3日間たっぷり遊びます。

 1日目は、まず、キャンプ仲間と仲良くなるための遊びをし、その後キャンプ場周辺の自然と触れ合いました。アチコチから「わぁ!何かふしぎな虫がいる~」 なぁんて楽しい声が響きます。そして、テントの過ごし方講座(スタッフによる「山ふるテント物語」的な寸劇?喜劇?)を受け、暗くなる前にテントの中で夜の準備をしました。初めてのテントに、子ども達のテンションは上がりっぱなし。テントの中はそんな子ども達の蒸気で熱々です♪













 
 その後、待ちに待った火おこし体験です。最初は火おこしに適したたき木を探し。「パチパチ君とポキポキ君さがしてきたよ!」 み~んな上手に探せるようになりました。次は、マッチすりにチャレンジ!火おこしのためのマッチすりは、スタイルや軍手のつけ方、周りの人の配置や火の点いたマッチの置き方など、気をつけることがた~くさん!!ドキドキしながらも、みんな勇気を出して挑戦し、上手くすれるようになりました。みんなで1人を応援する光景には、人知れずうるうるでした。最後にたき木を協力して組み、火を点け、火を少しづつ大きく元気にしていきます。大切なペットを育てるように、優しい気持ちで火を囲みました。上手く起こせた火で食べたウィンナーには、みんなメロメロ。その味を忘れられない子どもも多くいたようです。




 1日目の最後は「夜の森たんけん」です。この日は月が明るかったためか、子ども達も怖がることなく、森の中でじっくり過ごすことができました。月に手をかざして光のパワーをもらうと、土ボタルを見ることができ、2つの光に魅了された夜でした。


 2日目は、早朝に沢で顔を洗い、お弁当を作ったら1日ぼうけんです。下流の沢で生きものを探したり、運命の石に絵を描いたり、モグラの穴を掘ったり、モグラの散歩道を歩いたり、尾根道を虫やキノコを探して歩いたり・・・とにかく、沢山x2遊びました。「キャンプって楽しいね~♪」 私は、その時の子ども達のキラキラした顔、疲れた顔、お腹がすいている顔、友達を心配する顔・・・常に全力だった顔を忘れられません。


 そんなたくさん遊んだ2日目の夜は、ご飯後のたき火でマシュマロの辺りから、みんなうとうと・・・テントに入ったらすぐにぐっすり寝てしまいました。ホームシックにかかっている暇はありませんね♪




 3日目も、早朝お散歩から始まりました。この日は「朝のキラキラパワーをもらう」というお散歩。「朝露を指にとってなめると甘いよ!パワーになるよ!」と紹介すると、みんな「美味しいx2♪」と辺りの朝露がなくなるほど採りました。そうこうしているうちに地球で見られる一番大きなキラキラの登場です。夜の森たんけんでやったように手を太陽にかざし、一日のパワーをたくさんもらいました。元気になって、おなかがぐ~ぐ~言い出したので帰ることに。すると、帰り道は行きには見られなかった3つ目のキラキラがたくさん見つかったのです。子ども達の顔に感動が溢れていたのが印象的でした。いつもは見慣れたクモ巣なのに、こんなにきれいだなんて・・・って。




 みんなで食べる最後のご飯はサンドウィッチ。みんな本当に楽しそうにニコニコ、ぺちゃくちゃ、モグモグと食べていました。さぁ、ここで、このちびっこキャンプで行ったエコな取り組みを紹介します。今回、子ども達には、ご飯を食べたら次のことをしてもらっていました。
 ①スプーンでお皿のおかずをきれいに、きれいに食べきる
 ②パン一切れでお皿を拭き、そのまま美味しく食べる(このパンがこれまた人気で♪)
 ③それでもとれなかったら、いらないタオルを切ったエコタオルで拭く。
これで、きれいな山の水を洗剤で汚すことなく、洗うことができました。子ども達は、一生懸命実践してくれました。みなさんのご家庭でも、是非やってみて下さいね!


 ご飯の後の片付けは、テントの中の掃除と炊事棟の掃除、そして一大イベントの『寝袋しまい大会』です。手のひらの小さな子どもにとって寝袋を畳んでしまうのはとっても大変なこと。しかし、やり方を教えた後は手伝いません。何度も何度も失敗しても、少しずつコツを覚えて自分の力でしまうことができるからです。見かねて途中で手伝ってしまったら、子ども達の『できる力』を隠してしまうからです。中には泣きそうな顔の子、悔しくて歯を食いしばる子もいました。その頑張る横顔が本当にかっこよくて、目と声でたくさん応援してあげました。そうして、みんな自分でしまうことできたのです。(補足:最初に、何かの事情でできないとき、手伝ってもらいたいときなどは、自分からお願いすれば手伝うというお話をしました。)



















最後に研修室に戻り、また掃除。「お手伝い何かある?」と、みんな箒の取り合い。なんて素晴らしい光景でしょう♪ 荷物の詰め込みを終えた後は、みんなでキャンプをふりかえる時間を持ちました。と、そうこうしているうちにアッと言う間に帰る時間。

 みんなは、バスの中でどんなことを考えていたのだろう?
 お迎えの家族と会ったとき、どんな気持ちだったのかな?
 帰り道でどんなお土産話をしたのだろう?
 キャンプの仲間のいない夜は、どんな夜でどんな夢をみたのかな・・・

 ずっと一緒にいた子ども達だけど、もう私のわからない時間。楽しい気持ち、嬉しい気持ち、頑張った気持ちが溢れていればいいな、何か一つでも心に残ってくれていたらいいな、と願うばかりです。

『ちびっこ 夏の森まるごとぼうけんキャンプ』
夏の最後の、笑顔に満ちたキャンプは、こうして終わりました。

(担当:ゆうき☆)